地域ネコのこと

動物
05 /19 2015
日本には狂犬病予防法という法律があって、
いわゆる、野良犬はほとんどいなくなりました。

その一方で、もともとは飼いきれないなどの理由に
捨てられた猫が増えて、野良ネコ化してゴミをあさったり、
野鳥を食べてしまったりする問題が出てきています。
最近では、野良ネコ、と呼ばず、地域に根付いた存在として、
「地域ネコ」と呼ばれるようになっています。

地域ネコは、ボランティアの方によって、
TNR(Trap-Neuter-Return)活動がひっそりと行われています。
TNRとは、捕まえて、不妊手術をして、元に戻す、という作業です。
そうすることで、繁殖できなくなり、それ以上殖えないことになります。
殖えないためには効果的ですが、非常に地道な作業です。

外ネコを捕まえるのは難しく、そのための時間や技術、
不妊手術をするためのお金などなど多大な労力を伴います。
そういう活動をしている方には本当に頭が下がります。
したがって、当院でも少しでも出来る範囲で手術などをお手伝いしています。

不妊手術をするために、猫ちゃんが運ばれてくるのですが、
今回は、不妊手術といっしょにケガをしたネコちゃんの手術を依頼されました。
傷をみると、おそらくは、事故にあって運よく命は助かり、
その後、傷をもろともせず、たくましく生きていたのでしょう。

hiben1.jpg
こんな感じに大きく皮膚が欠損していました。
大変痛々しいですが、傷自体は経過が長く慢性化した傷でした。

不妊手術の後に、傷の形成手術を行いました。
頸の皮膚を剥離し、引っ張り、覆っていきます。
hiben2.jpg
何十針も縫う手術となりましたが、毛が生えてくれば、
外見上は分らなくなるでしょう。

これで、大きな顔して?外に繰り出せることでしょう。
ボランティアの方に捕まってよかったね、クロネコちゃん!

コメント

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Re:地域ネコのこと

黒猫ちゃん、どんなに傷が痛かったことでしょう。
よくこのような大怪我をものともせずいままで
がんばりました。えらいぞ! 

親切なボランティアさんにめぐり合うことができて本当によかったね!
そして田向先生に治療していただけて本当によかったね!

同じ黒猫の飼い主として、黒猫ちゃんを保護して先生のところに連れていってくださったボランティアの方と先生に心から御礼を申し上げたいです。

黒猫ちゃんが、一日も早く毛が生そろいますように。
そしてやさしい飼い主さんにめぐりあえますように。

初めまして、先日の東レプで先生のお話を拝聴させて頂きました。

ボランティアの方には本当に頭が下がる思いです。私も2匹捨て猫を拾い生活してきました。1匹目が黒猫だったので、この子が幸せになるように祈っています。
地域猫(野良猫)は元々人間の身勝手で増えてしまったものです。嫌がる人も迷惑に思う人もいるかもしれませんが、やはりひとつの命です。捨てたり去勢せずに外飼いしたせいで毎年何匹の猫達が命を失うことでしょう。人間が原因で発生した事は人間が責任を取る必要があると思います。もっと社会の理解が欲しいところですね。先進国の中では動物への意識が低いと思います。動物も同じ命だという認識を社会全体が持てる世の中になってほしいです。
長文失礼致しました。

地域猫を見つけるとどうしても可哀想に思えます。。
私もいつか動物愛護活動をしたいなぁと思っています。。
活動されてる方々、本当に素晴らしいと思います。(^o^)/

Re:地域ネコのこと

皆さま

返信が大変大変遅くなり申し訳ございません。
返信ありがとうございます。
世の中には、お金を出して猫ちゃんを飼うかたがいる一方で、
捨ててしまう方もいます。
そういうバランスをうまく調整して、
不幸な猫ちゃんが少しでも減ることを願っております。
私が所属する大田区獣医師会では、
大田区に生息する野良ネコちゃんの不妊去勢手術は
助成金が出ますので、少しでもお役に立てればと思います。

田向健一

動物病院の院長をやっています。
ペットの病気のことならたいていのことはこなしています。
カメやウサギからピットブルまで、外科も内科、眼科も歯科も行います。
動物、植物を含め、命あるものが大好きです。