整形外科と形成外科

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05 /07 2012
手術というと、病気でどうしても必要な手術と、
たとえば、「美容などを目的で行う手術」があります。

後者の手術は、世間では「整形外科」と呼ばれることもありますが、
医学の世界では、そうは言いません。

医学の世界で整形外科といった場合、「美容」を思い出す医者はいません。
整形外科とは、本来、骨や筋肉など運動器を扱う外科のことを指します。

そして、美容目的で行う外科は、「美容整形」とか「形成外科」と呼ばれます。
この形成外科は、もともと、戦争中に武装できなかった、顔など怪我した時に、
元の顔に戻すような外科手術として発達してきました。

したがって、動物では、美容整形とか形成外科はなかなかありませんが、
時々、やってくることがあります。

形成外科の患者さんは、ネコちゃん。
室内飼いで首輪をつけて生活をしていました。
そのネコちゃん、ある日脱走して、1か月後に発見されたときは、
首輪が、いわゆる「たすき掛け」なって、脇の下に首輪が食い込んでいたそうです。

その古傷が治らないとのことで来院しました。
その傷は、何度も縫合しても治らず、その間、エリザベスカラーをして、
1年以上経過しているとのこと。

どうにかならないものかとの相談でした。

診たところ、確かに、古そうなキズで治らなさそう…。
kuma1.jpg
こういう時は、大胆な形成する外科を行わないといけません。

ですので、古いやる気のない組織を大きく切り取って、
裁縫の型紙のような、梱包材の展開図のような
切り目を考えながら、皮膚を切って、広げます。
そして、完成形のイメージをして縫合線を形成し、完成させます。
kuma3.jpg
こんな感じになりました。


kuma4.jpg
3週間後。
1年越しの腋の潰瘍とエリザベスカラーともお別れの瞬間でした。

縫いあとがイタイタしいですが、
毛が伸びればそれも目立たなくなります。

書き始めは、整形外科と形成外科の違いが言いたかったのですが、
なんだかんだと長くなりました…。




コメント

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なんと!

こんにちは
猫さんきっと~いったぁーい~と、思いながら過ごしていたのでしょうね。
よかったよぉ痛いの解放されましたねー。
首輪、自由を求めて取ろうとしたのか?まさかぁねぇw


形成と整形。
良く分かりました、学びましたー!

有難うございます!
☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

猫チャン、最初の写真痛そうですね エリザベスカラーもつけなきゃだし、大変だったでしょうね  縫った傷痕は痛々しいけど、きっと先生に感謝してますよ~

Re: 整形外科と形成外科

猫さん、ようやく潰瘍の痛々しい傷ともおさらばでよかった。手術後の顔が「今まで痛かったよ。くすん。治してくれて有難う」と言っているようです。いやいや、先生、すごいです。

Re: 整形外科と形成外科

まるさま

コメントありがとうございます。
整形と形成、ご理解いただいてうれしいです(笑)。
今後ともよろしくお願いいたします。

ぴらめき~のさま
コメントありがとうございます。
多くの動物は、幸い、切ったところも被毛が生えることによって
見えなくなりますので、もう少しの我慢です。
で、ネコ自身は、傷口の跡とかはまったく人目を気にせず生きていきますので、問題ないですよ。

montanさま

コメントありがとうございます。
そうですね、これでカラー生活とおさらばです。
でも、無事治ってよかった…です。

田向健一

動物病院の院長をやっています。
ペットの病気のことならたいていのことはこなしています。
カメやウサギからピットブルまで、外科も内科、眼科も歯科も行います。
動物、植物を含め、命あるものが大好きです。