フェレットの前立腺

カルテ
02 /12 2012
久々のマニアック手術シリーズ。

フェレットは、3歳以上になると、
副腎の病気になりやすくなります。
副腎は、腎臓の横にある小さな臓器です。

そこから、いろいろなホルモンが出ていますが、
特に、男性ホルモンは、オスのフェレットの前立腺の病気を引き起こします。

前立腺が腫れたりすると、おしっこが出にくくなり、
ほっておくと、腎臓病になって死んでしまいます。

そこで、副腎の治療を行いながらも、
おしっこの通り道を確保しないといけません。

前立腺でおしっこがどうにも出ない時に、
尿道をお尻のわきに直接開ける方法が知られていましたが、
術後に狭くなったり、イマイチ成績がよくありませんでした。

あるとき、いい作戦を考えました。

ferretaenritu1.jpg
術中、おしっこの出口の穴にカテーテルを通しています。
尿路を確保する普通の光景なのですが。


手術を終えても、
ferretaenritu3.jpg
普通に尿道カテーテルが設置してあるだけなのですが。

これには裏がありまして…。
ferretaenritu2.jpg
術中のおなかの中を見てみると、カテーテルは、前立腺、尿道を介さず、
すぐに膀胱に入っています。
すなわち、おしっこの穴と膀胱をつなげました。
名付けて、「膀胱包皮吻合術」。
術後、数日でカテーテルは抜きます。

この方法で、狭くダメになった尿路を迂回します。
おしっこもちゃんと、おしっこの穴から出て見えるので、
見た目もグッド。

マニアックすぎで、わかる人にしかわからないネタでした。




コメント

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う~ん 先生、すみません フェレットちゃんのこと、イマイチ私にはわかりませんが、また先生が素晴らしい手術方法を開発したということですね リクガメの結石手術の方法も感動しました
これからも、動物に負担のかからない手術方法をたくさん考えてくださいね

Re: フェレットの前立腺

先生、素晴らしい手術、ごくろうさまでした。きっと、フェレットさんも、がんばってくれましたね!(ありがとう!)の、声がきこえてきますね・・・・・。

Re: フェレットの前立腺

なかなかむずかしですが、
すごいですね!

カメの手術も
そうですが
いままでの方法を改良するだけでなく
新しい方法を考える道も
あるんだな、と
あらためておもいました(o^^o)

Re: フェレットの前立腺

理解したくて沢山ググりました(笑)
なんとなーく理解できたと思うのですが、手術のすごさ以前にフェレットの尿道のしくみ?位置?にビックリしました(^^;)

いやー勉強になりました。とっても面白かったです(笑)

ちなみに使わなくなった尿路って塞いであるのですか???

Re: フェレットの前立腺

初めまして。
昨日先生の著書を買い、今さっき読み終わり、先生のファンになりました!
先生のような獣医さんがいると、飼い主や治療を受ける動物にとってもとても有難いことだなぁと思いました。
先生は日々新しいことを考えていらっしゃるんですね^^
これからもブログ拝見します。
私は今春から農学部へ入学するので獣医学部ではありませんが先生と同様に動物好きを生かして精一杯学ぼうと思います。

Re: フェレットの前立腺

私には難しくてなかなかわかりませんでしたが、どんどん動物の命を救う手段を編み出していらっしゃっているのは、本当に素晴らしいなあ!と、感動します!!

やはり尊敬します!

私はもうすぐ中学3年なのでそろそろ進路を考えないといけなくてとても悩んでますが、先生の本を読んだり、ブログをみたりしていると、私も頑張って先生みたいになろうっ!と頑張れます!

これからも頑張ってください!

先生のような獣医さんになって、動物医療にたくさん貢献するのが私の夢です!!

このフェレットちゃんも、先生みたいな獣医さんに診てもらえて、助けてもらって、すごく感謝しているでしょうね!!

先生のような獣医さんがもっと増えて、日本中のペットが幸せになるといいな、と願ってます!
あと、先生のご活躍、期待しています!!

先生に追いつけるように一生懸命に勉強します(笑)!!!!!

Re: フェレットの前立腺

皆様

まとめてのお返事お許しください。
携帯や家電のように劇的な変化はありませんが、
治療は手術は少しずつ進歩していきます。
その進歩に遅れないよう今後とも努力していきたいと思っています。

田向健一

動物病院の院長をやっています。
ペットの病気のことならたいていのことはこなしています。
カメやウサギからピットブルまで、外科も内科、眼科も歯科も行います。
動物、植物を含め、命あるものが大好きです。