麻酔

カルテ
03 /10 2016
町の内科や耳鼻科で患者さんを全身麻酔をかけることは
ほとんど無いかと思います。

動物のクリニックである町の動物病院では、
動物に日常的に全身麻酔をかけます。
当院で言えば、1年間に約700件近く多種多様な動物の全身麻酔をかけます。

ちっさな動物で言えば、このハムスターさん。体重わずか22グラム。
お腹に出来た腫瘍を摘出するために全身麻酔をかけて外科手術を行いました。
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おっきな動物では、グレートデン。体重70キロ。
健康診断の一環として、暴れてしまうと何もできない為、
レントゲン、エコー検査などを行うために、鎮静をしています。(動物園みたいですね)
男3人がかりで対応します。
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麻酔をかける際に、そのリスクとして
「小さいものは麻酔に弱い」「高齢は麻酔に弱い」ということ「のみ」に捉われ、
頭から離れず、麻酔を躊躇する飼い主さんがいらっしゃいますが、
厳密にいうとそれは違います。

麻酔のリスクを考える場合には、「大きさ」や「年齢」だけではなく、
腎臓の機能、心肺の機能、体の栄養状態、水和状態(脱水の有無)、
肝臓、食欲の有無などなど、さまざまなファクターを加味してリスクを
考えなければなりません。

助けるために、体内で起きている状況を把握するために、
やむを得ず行うのが麻酔という行為です。
当たり前ですが、麻酔をかけずにできることならかける必要はないです。

こう書くと、麻酔や外科が好きだと思われかねないですが、
そうでは全くありません。
麻酔を過剰に恐れる余り、適切な治療が行えない、
ほんとは助けられるものが助けられない、
ということのほうが動物にとっても、
飼い主さんにとっても、我々にとっても
大きなダメージになると思うのです。

しかし、100%安全な麻酔はこの世に存在しません。
飛行機に乗って、遠くにいくのと同じです。
なかなか難しい問題で、答えはなかなか出ないですね・・・





田向健一

動物病院の院長をやっています。
ペットの病気のことならたいていのことはこなしています。
カメやウサギからピットブルまで、外科も内科、眼科も歯科も行います。
動物、植物を含め、命あるものが大好きです。