ご報告

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09 /19 2014
9月17日、母校、麻布大学へ行ってきました。

開業以来、臨床現場から得られた成果や自身の研究結果を
数年かけて1つの学位論文としてまとめ、
大学に提出し、審査を受けて、この度、「獣医学博士」を頂くことが出来ました。

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向かって、左、論文審査を行った宇根有美教授、私の右、麻布大学の浅利昌男学長、
一番右、村上賢獣医学研究科長

この関係で、病院をときどき留守にすることもあり、、
スタッフや皆様にご迷惑をかけることもありましたが、
皆様の温かいご理解があって、無事、学位取得となりました。
皆様に心より感謝しております。

また、謙遜ではなく決して優秀な成績でなかった私が、
ここまで来られたのは、職人大工として、腕一本で家庭を支え、
私立大学の入学を許してくれ、私が好きなことをすることに関しては
いつも寛大でいてくれた父があってのことだと思っています。

しかし、昨年、春に脳梗塞でいきなり倒れ、数か月後になくなりました。
私のことをいつも、愛知から気にかけてくれていたので、
この学位記を見せられなかったのが、ちょっとだけ心残りです。

ともあれ、慢心せず、これからも動物を第一に、
さまざま頑張っていきたいと思っておりますので、
どうぞよろしくお願いいたします!









診断回路

カルテ
09 /15 2014
某月某日

真っ白で、気は優しくて力持ち、ピレネー犬がやって来ました。
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なんでも、コンビニで買い物するために、外につないでおいて、
数分後に出てきたら、腰のあたりから出血していることに気付いたそう。
慌てて病院にやって来ました。

診察をしたところ、確かに、白い綺麗な被毛に、血らしきものがベットリ着いています。
毛を刈ってみると皮膚に不自然に2つ均等に並んだ穴が開いていました。
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飼い主さんは、毎日手入れをして、それまで全くそのような傷が無かったので、
買い物をしている間に、何者かによって、
鋭いもので傷つけられたのではないかと疑って仕方ありません。

私はその血液状のものと2つに並んだ傷をよく観察しました。
すると血のように見えた赤い液体は、完全な血液ではなく、
血液と滲出液(しんしゅつえき:炎症があるときに出る体液)であることが分りました。

また、細い綿棒で傷口の穴の中を探ってみました。
すると、隣り合う穴は双方、皮下でつながっていました。
綿棒に付いた滲出液をスライドガラスにこすり付け、
染色し、顕微鏡でのぞいてみました。
そうすると、白血球の一種、好中球と細菌がたくさん見られました。

私は、それを見て、
「飼い主さん、絶対とは言えませんが、何者かによる刺し傷ではなく、
おそらく皮下に炎症がちょっと前から起こっていて、
それが、破裂したものですよ。

だから、こんなにたくさんの血液の様な滲出液も出ているのですよ。
犬の場合、皮膚はルーズですし、血管が少ないので、
刺し傷だけではこんなに出血することは稀です。

滲出液は、炎症の時に出る体液で、
その中に好中球や細菌がたくさん出ていますので、
少し前から表からは分らない状態の炎症が皮下で進んでいたのでしょう。」

飼い主さん、はじめは解せない顔をしていましたが、
繰り返し説明をすると、「おそらくそうであろうという状況」を納得してくれました。
抗生剤と消炎剤を数日飲ませたところ、すぐに良くなりました。

獣医師が病気を診断する場合、
1)その異常な状態(起きている症状)において、何が考えられるか、
客観的に病気のリストを頭の中で羅列します。可能性の高いものから、稀なものまで。

2)その病気リストに対して、問診や発生状況(慢性と急性とか単発とか多発とか…)、
動物の種類、年齢、病歴、様々な検査結果などを加味、根拠をもって、
そのリストに含まれる多数ある疾病をひとつひとつ消去法で潰して行きます。

3)残ったものが、その病気である、と診断します。
  (根拠をもって消去しきれない場合、「可能性がある」という暫定的な診断、仮診断になります。)

この一連の作業を「類症鑑別と除外診断」と言います。

この方法が動物の診断方法です。
除外診断なくして、動物の診断は出来ない、とまで言われています。
決して、見た目と経験との直感で診断するものではありません。

そんなことをすれば、診る人の経験と気分によって大きな相違が出てきてしまうからです。
もちろん経験も重要ですが、より重要なのは、客観的な視点で問題を見つめ、
鑑別リストをたくさん挙げ、「根拠」をもって消去していくことなのです。



獣医さんは動物を一瞥して、経験でなんでもすぐに病気かどうか、
写真や電話だけで判るハズ、
と思ってしまうかもしれませんが、
「言葉を話さない動物」であるが故、より慎重に、
そのようなプロセスを踏んで診断を行います。

そう考えると、警察が犯人の供述全く無しに、
残された証拠や現場検証で、
事件を解決していく作業に似ていますね。

寝顔♪

カルテ
09 /12 2014
夏も猛暑もつい最近まであったのが
まるでウソのようなこの数日ですね。

そんな過ごしやすい気候も手伝って、当院でお預りさせて頂いている
ネコちゃんたちも、すっかり、気持ちよくスヤスヤお眠りの様子。

「うちの子、家から離れたことないので、お泊り(入院)心配!」
とおっしゃる方、沢山いらっしゃいますが、
大多数の子たちは、こんな風にリラックスしているのですよ。

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「気持ちがいいにゃぁ~♪」


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「力尽きました・・・」


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「めんぼくない・・・」


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「実はこのカッコが落ちつくにゃん」


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「もう、爆睡にゃのです」

田向健一

動物病院の院長をやっています。
ペットの病気のことならたいていのことはこなしています。
カメやウサギからピットブルまで、外科も内科、眼科も歯科も行います。
動物、植物を含め、命あるものが大好きです。