より安全な手術の為に

モノ
07 /20 2014
小動物の手術が難しい点として、

手術前の身体状態の把握がしにくいことがあります。人や犬猫など
ある程度の大きさのある動物でしたら、術前に血液検査やレントゲン検査、
場合によってはCT検査など十分に手術を受ける動物を精査してから、
それでOKであれば、手術に望むことができます。
しかし、小動物となるとなかなかそうは行きません。
採血もろくに出来ませんでし小さすぎる動物はレントゲン画像の評価も困難です。


もう一つ、大きな問題点として、
手術で最も重要な全身麻酔も体が小さくなると難しいものがあります。
現在、麻酔はガス麻酔で行うのが一般的ですが、
人間、犬、猫などの麻酔は気管にチューブ(気管チューブ)を入れて、直接、気管から
肺にガスを入れます。そして、気管チューブを入れると、
呼吸の回数から、麻酔ガスを入れる量(圧力)まで機械を使って完全に管理ができます。

しかし、ウサギの大きさ以下の小動物は小さすぎるあまり、
気管チューブを挿入できないので、代わりに、麻酔マスクを使って、
動物自身の呼吸を頼って行わないといけません。

麻酔が深くなると、呼吸が止まってしまうこともあり、止まってしまうと、
チューブを入れていないので、呼吸をコントロールできないのです。
したがって、麻酔マスクでの麻酔は呼吸が止まらないように、
より細心の注意をはらって、麻酔濃度を調整しなければなりません。

すなわち、その呼吸を「ちゃんと術者と麻酔係りの目で目視」して呼吸を維持しないといけないのです。
しかし、、、その「呼吸の目視」が小動物の手術中の場合、とても難しいのです。
なぜなら、手術中は、「滅菌布」を全身に被せてしまうので、
呼吸している動きを目視、確認することが難しいのです。

と、前置きがずいぶん長くなってしまいましたが、
そこで、この「呼吸の目視」を可能にさせる、新しい手術用「滅菌布」を
開発しました。それが、「小動物用胸部ドレープ」です。

drape.jpg

これだと、透明ですので、手術中も繊細な胸部の動きも確認できますし、
マスクがずれていないかどうかもすぐに確認できます。

このドレープは、メスなどが触れても、簡単に破れたりせず、鉗子つまんでも穴が開きません。
かつ、高圧蒸気滅菌をしても、溶けたり、変形したりしません。
この素材は、ドイツから輸入した特殊なシリコンを使っています。
私のアイディアを、心ある樹脂造形会社の方が、形にしてくれました。
世界にまだ4枚しかありませんが、
今後、小動物を手術する多くの先生に使っていただけるよう、思案中です。


近況報告的業務連絡

未分類
07 /01 2014
あまり更新できないまま、
7月に突入してしまいました。

6月後半から今月終わりまで、
獣医師向け、獣医学生向け、動物関連資格向け等の
セミナー、講演が、毎週のように入っており、
最近は、臨床と教育の日々です。
なるべく病院を空け無いように心がけていますが、
不在することも多くなっており、大変ご迷惑をお掛けしています。

現在、当院では私を含め4名の獣医師で診療をしております。
当院は完全担当医制ではありません。
診療内容や動物種、などでこちらで勝手ながら決めさせていただいて
おりますが、希望の獣医師がありましたら、事前にお電話や受付にて
確認して、申し付けていただければ結構です。
また、当院HPでも獣医師の出勤状況が出ておりますので、
参考にしてください。

指名というとなんだか、敷居が高くなってしまうかもしれませんが、
気になさらず、ご希望が御座いましたらなんなりと仰ってください。
よろしくお願いいたします。

今日は、武蔵境の日本獣医生命科学大学へ行ってきました。
わたしもまだまだ現役でいたいと思っておりますが、
やはり、昔ほどエネルギーが無くなってきたと思う瞬間もあります。
6年生の授業でしたが、みな、瞳は真剣で、将来の獣医療も明るいと確信しました。
若い人たちのエネルギーを沢山もらってきました。
明後日は、母校麻布大学です。
同じようにエネルギーをもらえるでしょうか!


minatomirai.jpg
先週横浜で行われた講演の帰りに撮りました。
自然美はもちろんですが、人工物も美しいですね。







田向健一

動物病院の院長をやっています。
ペットの病気のことならたいていのことはこなしています。
カメやウサギからピットブルまで、外科も内科、眼科も歯科も行います。
動物、植物を含め、命あるものが大好きです。