アイタタタッ!猫編。

カルテ
10 /31 2009
久々のアイタタタッシリーズ。

今日の患者さまは、ネコちゃん。
数日間行方不明になっていたネコちゃんが
やっと飼い主の元へ帰ってきました。

が、しかし。
前の腕がダラーンとしています。
と飼い主様。

さっそく触診すると・・・・。
ありゃりゃ、骨折してまっせ。
交通事故でしょう。
しかし、他は無傷でよかったですね。
腕だけであれば命に別条はないでしょう。
ということで、さっそく手術に。

今回は、ネコちゃんということで、
骨髄内に金属のピンを入れる方法で治しました。
cathone1.jpg
手術中です。
折れた端に金属のピンを骨髄へ入れます。
そして、ぐぐぐっと反対側に戻して、
折れた部分を針金で締め付けて完了です。
cathone2.jpg
上腕に一本の長いピンが判りますか?
2か月ほどして、骨がくっついたら抜いて終了になります。

最近はめっきりワンちゃん、ネコちゃんの骨折が少なくなりました。
それもやはり、放し飼いのワンちゃんネコちゃんが少なくなったことと、
交通量が増えて、
交通事故はすなわち即死になるケースが多くなったことによります。

皆さま、脱走ににはくれぐれご注意ください。


野性への帰還!

カルテ
10 /30 2009
数日前に羽田空港で保護されたトビが入院していました。
おそらくどこかに激突したようで、
左目が開かず、鼻からも出血していました。
触っても抵抗しないくらい衰弱していました。

「おい、野性の主、大丈夫か?
何も口にしないのはお前の野性のプライドだろうけど、
そんなんじゃ死んじゃうよ。」
金属チューブで流動食を胃に流し込みつつ療養していました。

今朝の出来事。
「いんちょ~!いんちょう~!」
スタッフの悲鳴です。
あわてて熱帯生物室に駆け込んでみると・・・・・。
tobi1.jpg

何食わぬ顔で私のコレクションに鎮座しているのでありました!
tobi2.jpg

もちろん、この出来事をきっかけにリリース決定。
さっそく多摩川河川敷へ向かいました。
15分後には、大空へ帰って行きましたとさ♪

ペットのヤギ?!

カルテ
10 /27 2009
今日の患者さまは最近一部で大人気の
ペットのヤギさんです。

なんでも良く馴れてほかの動物に勝る劣らず
ナイスなペットだそう。
相談を受けました。
「去勢手術」と「角を切ってほしい(除角)」とのお願い。

さすがの私もひるみました。
いろいろな動物を見てきましたが、
ヤギの手術依頼は初めてです。

大学時代には、いやというほどヤギの世話はしましたが・・・・。
ヤギの診療の経験はほとんどないことを正直に伝えましたが、
ほかもずいぶん当たったけれどもどこも受け入れてくれないとのこと。
ま、そりゃそうでしょうが。

しかし、動物変われど付いているものは皆同じ。

ちなみに、普通に酪農家で飼われているヤギさんの去勢は、
無麻酔状態で、「たまたま」の根元に輪ゴムをにくくりつけて、
腐って自然に落ちるのを待つ、という方法でやります。
角に至っては、押さえつけて、おっきなペンチで角を根元からバチン。
大出血する角の切り口を、
赤く熱した焼きゴテでジュウ~!という荒々しさ。

しかし、今回のヤギさんは大事な家族の一員のペットさん。
飼い主様も、もちろんそんな痛そうなやり方は望んでいませんでした。

じゃあ、いっちょ、がんばってみましょう。
犬猫その他小動物の手術で習得した技術をヤギさんに応用です。
yag1.jpg
なんともかわいらしいヤギさん。こんな子のたまたま輪ゴムでくくったりできないですよねぇ。

yagi4.jpg
皆様もうご存じ、いつものガス麻酔を使って・・・・。

yagi2.jpg
骨の手術と同じように電動外科ノコギリを使って角をカット。
術後は痛くないように鎮痛剤を注射。

yagi3.jpg
翌日には、さっぱり頭で元気な姿を見せてくれました♪
今回は、適度な緊張といい経験をさせてもらいました。


がん発見の心得

カルテ
10 /26 2009
ネコちゃんの乳がんの手術を行いました。

ネコちゃんの乳がんはとても悪性度が高いため、
やはり早期発見、早期摘出が必要ながんです。

残念ながら、抗がん剤で癌をなくしたり、
サプリメントで免疫を高めて、がんを小さくするといった
ことがほとんど期待できません。
あれこれ考えている間に、肺などに転移してしまい、
呼吸困難で命を落としてしまうことがとても多いのです。

外部の小さながんの発見は、レントゲンも血液検査も
CTスキャンも必要ありません。
(むしろ、その様な検査ではなかなか検出することは難しいです)
実は、飼い主様が日ごろからきちんと接する(触ってあげる)ことが一番重要なのです。

触ってしこりを見つけたら、病院へ相談。
そして、しこりに注射針を少し刺して細胞検査。
これで、がんの早期発見ができるのです。
決して難しいことではありません。
nekomass.jpg





手前みそ

未分類
10 /24 2009
すみません。
手前みそ系ネタです。

毎年恒例の「うさぎ」「カエル」のカレンダーが
発売中です。
写真はカメラマンで友人の松橋さん。
解説は私のコラボとなっております。
うさぎやカエルを飼っている方は是非お願いします。

と言っても、売れても私の懐は関係ありません。
しかし、売れないと来年がないかもしれません。
とかいいつつもう5,6年になるロングセラーのシリーズです。
よろしくお願いいたします!
calender.jpg

ワニ!

動物
10 /23 2009
今日はバタバタと忙しかったですが、
ちょっとした珍患者さまがいらっしゃいました。

ワニさんです。
事前に問い合わせがあったので、
心の準備をして待っていました。

そして来たのがこの子!
wani1.jpg

口をあけて、こっちを威嚇しているではありませんか!
気をつけて!口には鋭いのこぎりのような牙が!
これに噛まれてしまったら、手首などあっというま。

なんて、ご安心ください。
来院したのは、ちっちゃなちっちゃな子供のワニさんでした。
くりくりお目目が可愛いですね!
wani2.jpg
ヨウスコウワニ【Alligator sinensis
中国の揚子江に生息する小型のワニ。
全長は2mくらいになる。
アリゲーターの中まで、寸詰まりな感じがなんとも魅力的。
魚や甲殻類、小型哺乳類を食べる。

カエルの麻酔♪

カルテ
10 /19 2009
カエルの麻酔はいくつかの方法があります。

1.麻酔薬に漬ける方法
2.麻酔薬を注射する方法
3.麻酔ガスを嗅がせる方法


今回は3番です。
ガス麻酔は呼吸とともに体内に入り、
呼吸とともに体外に排出される安全な麻酔です。
カエルの麻酔ガスは人間の全身麻酔に使うガスと
同じものを使います。

ただ、意識的に麻酔ガスを吸ってはくれないため、
ガス室へ入れます。
sauvageianeth.jpg

かえるくん「お~ここから出してくれ~」とでも言っているのかいないのか。

ハス!

植物
10 /17 2009
ハスの蕾(つぼみ)です。

ハスの花は、蓮華(れんげ)とも言われており、
仏教では清らかさと聖性の象徴とされていました。

また、泥の中に埋まる地下茎はご存知「蓮根」として、
現代の「きんぴら」には欠かせない食材となっています。

沼の泥水のようなところで育っても、
観てもよし、食べてもよし。
周囲の環境に左右されない、
志しの高さを教えてくれるようです。

で、このおっきな蕾、
満を持して咲くときには「ぽんっ♪」と
音をさせるそうです。
それもまた、
終始、静寂にたたずんでいても、
出番にはちゃんと自己主張できる
意志の強さを教えてくれるようです。

hasu.jpg


洞窟探検

動物
10 /13 2009
以前、タイの南部に行った時のことです。
動物を求めてジャングルを歩きまわり、
よれよれになってふと見つけた洞窟に入った時のことでした。

洞窟内はひんやり涼しく、洞窟の奥から、
冷気が漂ってきていました。
汗だくになった私にとって、とても心地よく感じました。

それと同時に、奥には何があるのだろう、
と元探検部員である私は好奇心に血が騒ぎだしました。

しばらく奥に進むと、アンモニア臭が。
ふと足元を見ると、グアノ(コウモリのウンチの堆積したもの)が。
すかさず、洞窟の天井をヘッドライトで照らすと・・・・・・。
bats.jpg

文字どおり、コウモリの鈴なり!
生き物好きの私には最高の場所でした。

でも、普通はこういうの駄目だろうなあ。
真っ暗、狭い、臭い、天井にコウモリ・・・・・・。


完全なる防御!

動物
10 /10 2009
地球上には、さまざまな野生生物が生息しています。

命あるのものすべての目標はただ一つ。
己の遺伝子を未来に残すこと。
これは、人間でも例外ではありません。

人間以外の野生生物たちは、
いまだにこの目標に向けて日々、一生懸命、
生命活動を営んでいます。

生きること。
すなわち敵から身を守ること。

敵から身を守る、ということに関し、
動物はさまざまに適応進化してきました。

あるものは、逃げ足を速くした。
あるものは、殺傷能力のある牙を持った。
あるものは、敵に気づかれないようにカムフラージュした。
あるものは、毒を持った。
あるものは、鉄壁を備え持った!

ということで、最後の防御系はカメさんです。
ただのカメさんではありません。
ハコガメさんです。
hakogame1.jpg
甲羅の隙間から、少しだけお顔を見せてくれました。

次の瞬間・・・・・。
hakogame2.jpg
蓋を閉じてしまいました。
まさしく引きこもり箱。
こうなると、誰の声も彼の耳には届きません。

遠き山に日は落ちて

未分類
10 /09 2009
荘厳たる炎は、力を絞るかごとく
層雲の間から閃光を放つ。
その光輝は神の降臨ごとく情熱的である。
tasogaredoki.jpg
【撮影:神奈川県城山町】
秋の夜長。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
季節の変わり目は、何かと体調を崩しやすいので、
十分にお気をつけください。

本日はネタ不足のためスミマセン。

私の師匠

カルテ
10 /07 2009
開業医というのは、いったん院長になってしまうと、
お山の大将になってしまいます。
それぞれのお山のてっぺんで吠え続けなければならない。

それはそれである意味過酷なのですが、
技術向上のためには、時には、叱られたり、反省したり、凹んだり、
というスパイス必要です。
院長になるとなかなかそういう場面がない。
すべて自分のモチベーションにかかっています。

幸い私には師匠がいます。
(勝手に私が思っているだけで、あちらは私のことは弟子だなんて思っていませんが)。
いつも指摘され、反省させられ、
さらに勉強しようと思わせてくれます。

自分の技術では困難と判断した場合
その師匠を呼んで応援してもらうことがあります。

nakajima1_20091008095203.jpg
獣医業界で知る人ぞ知る、
この先生は「手術屋」と呼ばれています。
寝る間も無く、手に負えなくなった手術症例を、
日本中の病院を回って年間600件以上も行っています。
その精神力と技術力の高さには毎度脱帽させられます。

以前、アメリカで行われた総合格闘技の大会で優勝したホイスという格闘家が
勝利者インタビューで言いました。
「私の兄ヒクソンは、私の10倍強い」

私は手術屋先生の手術を拝見していつも思います。
その言葉を借りるなら、
「手術屋先生は、獣医師として私の100倍優れている」
どんな勉強会や医学書よりも、
師匠の1回の手術から得るものはとても大きい。

ちなみに、こちらの師匠、時々、
あまりの忙しさから現実逃避でケータイが届かない国外へ逃亡します。
タイまでムエタイ修行に出かけてしまうのです。
酒は飲まない、甘い物と矢井田瞳が大好き。
ストイックで変わった人です。

タイコウチ♪

動物
10 /05 2009
水棲昆虫の「タイコウチ」です。
タイコウチの名は「太鼓打ち」にちなんでいます。
水から揚げる前足のカマのような手を太鼓を叩くように動かします。

カメムシの仲間であり、体のパーツはカメムシにそっくりです。
小さな子供には水棲昆虫の採集はなかなか難しく
図鑑で見た水棲昆虫はあこがれの的。

それでもタイコウチはひと夏に1匹か2匹は捕まえられて、
宝物のように飼っていました。

知らない人が見たらただのゴキブリじゃん、
といわれそうですが、
大人になっって改めてタイコウチをみると、
その当時の想いというのがよみがえってきます。
taikouchi.jpg
タイコウチ【Laccotrephes japonensis




田向健一

動物病院の院長をやっています。
ペットの病気のことならたいていのことはこなしています。
カメやウサギからピットブルまで、外科も内科、眼科も歯科も行います。
動物、植物を含め、命あるものが大好きです。